「准保育士」導入への反対表明をおこないました
平成19年11月30日

「准保育士」導入への反対表明

社会 福祉 法人 全国社会福祉協議会
全国保育協議会
会 長  小川 益丸
全国 保育士会
会 長  御園 愛子

 全国2万1千の認可保育所が加入する全国保育協議会と、全国18万人の保育士を会員とする全国保育士会は、平成19年10月29日の第8回規制改革会議で検討、提案された「准保育士」の導入に次の理由により反対する。
 
(1) 保育士資格保有者が働ける労働環境の整備を優先すべきである。
 保育士養成校(全国に503か所 平成18年4月現在)を卒業し当該資格を取得する者は年間約4万2千人(平成17年度)を数える。また、保育士試験合格者を加えた保育士資格保有者は累計で約162万2千人であり、保育所の保育士採用は有資格保育士により満たされる状況にある。
 提案にある子育て経験のあるものに短期間の研修を行い「准保育士」として導入するのではなく、有資格者を優先すべきである。とりわけ、保育士養成施設を卒業し、保育分野以外に就職する約半数の者が保育所で働けるように、保育士の労働環境を整備することが重要である。
(2) 保育現場は専門性の高い人材を求めている。
 保育所保育は、生涯にわたる人間形成にとってきわめて重要な乳幼児時期に養護と教育を一体的に提供することで、豊かな人間性を持った子どもを育くむ営みである。その担い手である保育士は、継続的に一貫した保育の提供を担う専門職である。とくに近年、発達障害や被虐待の子どもなどの利用が増加の傾向にあり、子どもたちへのケアの充実のために、より専門性の高い保育が必要となっている。さらに、養育力の低下が指摘される中で、保護者への支援の充実も求められている。このため、現場では保育士の研修等、現任訓練の充実に取り組んできている。一方、保育士資格は平成3年に受験資格が高校卒から短大卒に引き上げられ、平成15年には国家資格化された。この経緯は社会的に子どもと家庭の変容に対応するためのものであった。自分の子どもを育てた経験があることと、他人の子どもを育てる資質・知識・技術があることは異なるものである。提案の「准保育士」は、今日の現場での資質向上の取り組みに逆行している。
(3) 保育の質の低下につながる。
 未来を担う子どもの豊かな成長を保障するためには、その担い手である保育士の労働条件の改善は不可欠である。「准保育士」が導入されることで、現在も厳しい状況にある保育士の労働条件(賃金や労働時間など)が、さらに低下することが危惧される。
 また、そのことが子どもの育ちや保護者への支援を行う保育士の資質の低下につながり、結果として保育の質の低下をまねくことが懸念される。
(4) 混乱を生じさせる「准保育士」の名称の導入には反対する。
 国家資格化により名称独占となった「保育士」の名称と連動したように誤解をもたせるような「准保育士」という名称の導入は反対であり、利用者にとっても問題である。
 なお、社会全体で子育てを支える環境づくりが求められている中で、子育て経験のある人や関心のある人が子育ての「支援者」、「協力者」となる取り組みを否定するものではない。